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元本確保型投資信託とは?

2018年7月に期間限定で販売されたゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドという投資信託が、1か月にも満たない期間で300億を超える資金を集めて話題となっています。

その理由は、投資信託の説明に『満期償還となる10年後まで持っていれば元本確保が狙える』、『国際分散投資によるリターンの獲得を目指す』とあるからです。元本を下回ることもある投資信託が、なぜ元本の確保とリターンの獲得を両立できるのでしょうか?

元本確保型投資信託<とも呼ばれるゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドを例に、元本確保型のしくみや、メリット・デメリットを見ていきましょう。

元本確保型の投資信託の特徴

元本確保型投資信託は、元本をできるだけ確保するように工夫された投資信託です。ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンドには、元本確保のしくみと合わせて運用益の獲得を目指すしくみがあります。

①社債の運用で得た利子で信託報酬を穴埋めする

販売用資料より

まずは元本を確保するしくみを見ていきます。投資信託には運用をお任せする手数料として信託報酬がかかります。それによって元本を減らさないために、集まった資金を全額社債に投資し、信託報酬を上回る利子を受け取っています。

この投資信託が投資する社債は、世界的に有名な米国の資産運用会社ゴールドマン・サックス社の社債です。投資信託の信託報酬は年0.37%ですが、社債の運用によって受け取れる利子が年0.39%あるので、信託報酬による元本の目減りが発生しないのです。

一般的に債券の利子をクーポンと呼びますが、この投資信託が受け取る利子は固定クーポンと呼ばれます。

②社債を担保に投資して、リターンの獲得を目指す

販売用資料より

続いて運用益を獲得するしくみを見ていきます。この投資信託は①で投資している社債を担保に先物取引をして、リターンの獲得を目指します。

先物取引とは担保を預けることで、将来の特定の期日に株価指数や債券指数といった、株・債券の代わりとなるものを決まった価格で取引することを約束する取引のことです。通常の取引と違い、将来取引するという約束だけを取引するので、現金を必要とせず株価指数や債券指数に投資できます。この投資信託では、世界の株価指数や債券指数に分散投資がおこなわれます。

ただし、先物取引は損失が大きくなった場合に、担保(ゴールドマン・サックス社の社債)を損失の支払いに充てる必要が出てしまいます。 そこで、運用する資産価格の振れ幅が年3%程度に収まるよう調整することで、リスクをコントロールしています。

この取引で運用益が出た場合、利益の約90%は年1回の分配金として投資家に支払われます。残りの約10%は、運用側に成功報酬として支払われます。ここで得られる利益は運用実績によって変動するので、実績連動クーポンと呼ばれます。

購入時手数料
(上限)
信託報酬
(運用管理費用)
信託財産
留保額
1.62% 年0.378%
+成功報酬(利益の10.08%)
0.3%

過去の数値を使ったシミュレーションによると、2006年から2017年に同様の運用をした場合、平均で年2.1%のリターンが出ています。

以上2つのしくみにより、元本の確保と運用益の獲得を目指す点が、他の投資信託にない特徴です。

メリット・デメリット

この投資信託の最大のメリットは、元本の確保を目指すしくみを持っているので、投資信託の中でも安定性が高いという点です。今までに登場した投資信託で信託報酬を低く抑えているものはありましたが、一定額の運用益が出るしくみをつくり、信託報酬の穴埋めするものはありませんでした。

そしてこの商品のデメリットは主に以下の2点です。

  • ゴールドマン・サックス社の社債だけに投資しているリスクがある
  • 運用する資産の価格変動が小さくなるよう調整されているので、リターンは小さい

この投資信託は、先程の説明で出てきたクーポンを得るため、投資信託に集まった資産をすべてゴールドマン・サックス社の社債に投資しています。仮にゴールドマン・サックスが破綻してしまった場合、元本が確保できないおそれがあります。

格付投資情報センターによるゴールドマン・サックスの格付けはAで、9段階中上から数えて3つ目です。現時点では大きな問題は無いと思われますが、投資信託を持っている期間中は、ゴールドマン・サックス社の動向はチェックしておきましょう。

また、先物取引のリスクを調整するため、運用する資産の価格変動が一定の幅に収まるよう調整されます。利益の上乗せも狙える商品ですが、あくまでも守りの投資をする投資信託ということ頭に入れておきましょう。

この商品に限りませんが、投資信託を購入する前には、自分が投資するものがどんな特徴があり、どんなリスクがあるのかしっかり把握した上で投資することが大切です。

いつ、どこで買えるの?

2018年12月3日から2018年12月26日までの期間限定で、「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-12」が販売されています。今回は楽天証券マネックス証券大和証券などで買うことができます。

証券会社 投信
本数
特徴 紹介
ページ
楽天証券 2,623本 楽天スーパーポイントで投資信託が買えるだけでなく、投資信託を持っているだけでも<楽天スーパーポイントが貯まります 詳細
マネックス証券 1,049本 ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-11の購入時手数料が全額キャッシュバックされます 詳細
大和証券 542本 取引口座は、担当者からのアドバイスを受けられるダイワ・コンサルティングコース、もしくは手数料が割安なダイワ・ダイレクトコースが選べます 詳細

モルガン・スタンレー社債バージョンも登場

モルガン・スタンレー社債/マルチアセット運用戦略ファンド
販売用資料より

2018年11月、T&Dアセットマネジメントから「モルガン・スタンレー社債/マルチアセット運用戦略ファンド2018-12」が販売開始になりました。この投資信託も同様のしくみで、こちらは「モルガン・スタンレー社債」を利用して元本の確保を目指します。二つの商品を比べると、実績クーポンの平均利回りと信用格付けに少し差がありますが、運用期間や売買手数料などに違いはありませんでした。

「モルガン・スタンレー社債/マルチアセット運用戦略ファンド2018-12」の販売も期間限定で、今回の購入受け付けは2018年12月14日までです。ネット証券ではSBI証券で購入できるので、買いたい場合は早めに申し込みましょう!

元本確保型投資信託のまとめ

元本確保型の投資信託は元本確保を目指すしくみを持つ、今までなかった投資信託です。これから投資をはじめる人で、損失を出したくない・リスクはなるべく小さくしたいという人に向いているでしょう。

  • 退職後、安定的に資産運用をしつつ、分配金を受け取る。
  • ポートフォリオに債券型の投資信託のように組み込んで、リスクを抑えた資産運用をする。

…といった運用を考えてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者

やさしい投資信託のはじめ方編集部

やさしい投資信託のはじめ方編集部

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