百戦錬磨の名人ファンドの評価(メリット・デメリット)をわかりやすく解説!

カテゴリー:投資信託
最終更新日 : 2020年09月11日
百戦錬磨の名人ファンド

運用会社の三菱UFJ国際投信が、注目の投資信託を運用開始します。その名も「百戦錬磨の名人ファンド」です。

ふつう、投資信託は持っているだけで運用コスト(信託報酬)が発生します。しかし、「百戦錬磨の名人ファンド」は、「成果報酬型」の投資信託なので、基準価格が最高値を更新したときだけ、払えばよいのです。

ただし、少し特殊な仕組みの投資信託なので注意が必要です。そこで、このページでは、百戦錬磨の名人ファンドのメリット・デメリットをわかりやすく解説します!

百戦錬磨の名人ファンドの評価

百戦錬磨の名人ファンドは、マーケットニュートラル戦略という特殊な運用方法をとるアクティブファンドです。理由は後ほど説明しますが、結論から申し上げますと、おすすめできない投資信託です。

基礎データ

評価・おすすめ度 ★★☆☆☆ (2/5)
販売会社 三菱UFJ国際投信
設定日 2020年9月23日
分類 国内株式型アクティブ
特色
  • 成果報酬型
  • マーケットニュートラル戦略
販売手数料
(購入時手数料)
無料
信託報酬
(運用管理費用)
基本報酬
(年率)
基準価格×0.044%
(信託銀行分のみ。販売会社、運用会社の分は無料)
成果報酬 過去最高値の超過分×16.5%
信託財産留保額 なし

成果報酬型とは?

成果報酬型とは「利益が出たときだけ報酬を払えばいい」という信託報酬の仕組みです。ふつうの投資信託は、持っているだけでコストを負担しなければなりません。しかし、成果報酬型の投資信託は、利益が出なければコストを負担しなくても良いのです。

このように、成果報酬型は、実績が求められるアクティブファンドに適している報酬体系といえます。また、百戦錬磨の名人ファンドは、直販型の投資信託なので、販売会社に対する信託報酬が無料となっています。

<信託報酬の比較>
ファンド 販売会社 運用会社 信託銀行
一般的な投資信託 固定報酬 固定報酬 固定報酬
百戦錬磨の名人ファンド 無料 成果報酬 固定報酬

マーケットニュートラル戦略とは?

マーケットニュートラル戦略は、株式の「買い」と「売り」を 1:1 で組み合わせる投資方法です。株式の「買い」を注文すると、株価が上がれば利益が出て、株価が下がれば損失が出ます。これに対して、「売り」を注文すると、株価が下がったときに利益が出て、株価が上がったときに損失が出ます。

「売り」の注文をわかりやすく説明すると、「借りてきた株を売る」というイメージです。例えば、A社の株を借りてきて「1,000円」で売ったとします。これが「700円」まで値下がりしました。ここでA社の株を買い戻し、元の持ち主へ返します。

すると、売却金額「1,000円」と購入金額「700円」の差、「300円」分が儲けとなります。このような仕組みで、「売り」の注文は、株価が下がると利益が出るのです。

マーケットニュートラル戦略
参考ページ:グループサイト『やさしい株のはじめ方

つまり、百戦錬磨の名人ファンドは、値上がりしそうな株を「買い」、値下がりしそうな株を「売り」とすることによって、利益を出そうとしているのです。

【メリット】下落相場でも影響を受けない

ふつうの株式投資は株価が下がると損失が出てしまいます。しかし、百戦錬磨の名人ファンドのようなマーケットニュートラル戦略の投資信託は、株式市場全体が下落しても影響を受けません。なぜなら、「買い」の損失を「売り」の利益でカバーできるからです。

【デメリット】上昇相場の影響も受けない

下落相場でも影響を受けないというメリットがあるということは、裏を返せば、上昇相場の影響も受けないということです。「買い」の利益を「売り」の損失が相殺させてしまいます。

「買い」と「売り」が正しく判断されて運用されないとファンドとして利益が出ないことにも、注意しなければなりません。どの株が上がって、どの株が下がるかは、プロでも判断するのが難しいと言われています。

ファンドマネージャーの腕の良しあしは、わからないので、少なくとも1年程度は運用の結果を見てから、投資をするかどうか判断するのが良いでしょう。

楽天証券やSBI証券で買える?

百戦錬磨の名人ファンドは楽天証券SBI証券では買えません。百戦錬磨の名人ファンドの信託報酬は、基本報酬が受託会社、成果報酬が運用会社となっています。つまり、販売会社には1円も入らないということです。

よって、楽天証券やSBI証券では今後も取り扱われることはないでしょう。購入できるのは、三菱UFJ国際投信からの直販だけです。

管理人の意見

『やさしい投資信託のはじめ方』では、こつこつ積み立て投資をして、株式市場・経済全体の成長から利益を得るような資産形成をおすすめしています。しかし、百戦錬磨の名人ファンドは、積み立て投資に不向きです。

「売り」注文を使うことが絶対にダメだということではありません。経済成長への期待に重心を置いたうえで、リスクを減らすため、適度に「売り」を注文するような戦略であれば、これは有効な運用方法だといえます。

しかし、百戦錬磨の名人ファンドに用いられているマーケットニュートラル戦略は、常に「買い」と「売り」が 1:1 です。これでは、経済の成長へ投資することになりません。値上がり・値下がりだけを予想するような投機的な投資方法です。

よって、マーケットニュートラル戦略を採用している百戦錬磨の名人ファンドは積み立て投資に向かない投資信託です。

おおぶねグローバルのほうがオススメ

「成果報酬型」には、農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)という投資信託があります。

おおぶねシリーズは、農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶねが「投信ブロガーが選ぶFund of the Year 2019」でアクティブファンド1位に輝いているように、投資家たちからの支持が厚いファンドシリーズです。もし、「成果報酬型」に興味をお持ちでしたら、おおぶねグローバルのほうを検討してみてはいかがでしょうか。

今回紹介したような成果報酬型のファンドは、利益が出たときにしか手数料がかからないので、しくみとしてはとても良いのですが、肝心の運用方法に注意が必要ですね。

この記事の執筆者

やさしい投資信託のはじめ方編集部
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