PC表示スマホ表示

つみたてNISA(積立NISA)とは?現行NISAとの比較、メリット・デメリットをチェック

積立NISAのイメージ

8月31日追記

各メディアで、つみたてNISAの対象となる投信の本数が、『7月末時点で150本』と出ています。つみたてNISAに対応するため、手数料の引き下げ・新商品の開発などが進められたようです。金融庁によると、『対象商品の発表は10月以降、金融庁ウェブサイトに公表されます。(金融庁PDFファイル)』とありますので、具体的な商品の内容は「もうしばらくお預け」のようです。(追記終わり)

投資信託などの運用で利益が出ると、約20%の税金がかかります。(1万円の利益が出たら利益は約8,000円)。その税金が0%になる制度がNISAです。NISA自体は2014年からスタートしていますが、2018年1月より新たに『つみたてNISA(積立NISA)』がスタートします。

このページでは、つみたてNISAがどのような制度なのか?現行のNISAと比較してどのような違いがあるのか?そのメリットやデメリットについて見ていきます。

  1. (1) 「つみたてNISA」は利益にかかる税金が非課税となる制度
  2.  ・制度の概要、現行のNISAとつみたてNISAを比較
  3.  ・「NISA」と「つみたて」は併用できません 手続き開始は10月から
  4.  ・NISAをするならマイナンバーの提出を!
  5.  ・つみたてNISAのメリットとデメリットをおさらい
  6.  ・つみたてNISAは誰におすすめ?どの金融機関を選ぶ?
  7. (2) 金融庁が発表した「つみたてNISA」対象商品の基準
  8.  ・どんな投信が「つみたてNISA」の対象か『予想
  9.  ・今後のNISAはどうなる 「つみたてNISA」は誰におすすめ?
  10. (3) 「つみたてNISA」と個人型確定拠出年金:イデコを比較
  11. (次ページ) 積立NISA(つみたてNISA)に関するQ&A

「つみたてNISA」(積立NISA)は利益にかかる税金が非課税となる制度

つみたてNISAでは利益が非課税
つみたてNISA 通常の投資
1万円の利益が出たら
受け取れる利益は1万円
(税金が0%)
1万円の利益が出たら
受け取れる利益は約8,000円
(税金が約20%)

つみたてNISAは、積立投資において生まれた利益を、20年という長期にわたって非課税にすることで、安定的な資産形成を支援しようという制度です。先にも書いた通り、普通に投資した場合、生まれた利益の約2割は税金として引かれてしまいます。

つみたてNISAは「投資商品」「投資金額」などにに制限あり

通常の投資や、NISAでは株・投資信託・ETFなど様々な商品に投資できますが、つみたてNISAで投資できる商品は、運用にかかるコストが低く・分配金を出さず効率的に資産形成ができる投資信託に限定され、現行NISAよりも、より安定的に資産形成できるよう設計されています。(つみたてNISAで運用できる投資信託の条件想定される運用できる商品については後述します)

つみたてNISA(積立NISA)と現行のNISAを比較

  つみたてNISA 現行NISA 通常の投資
年間投資可能額 40万円まで 120万円まで 制限なし
制度の終了年 2038年まで 2023年まで 無期限
非課税運用が
できる期間
20年間 5年間(ロールオーバーを利用して最大10年間) 税制優遇なし
投資できる商品 投資信託・ETF
(投資できる商品に条件あり)
株・投資信託・ETF・REIT 株・投資信託・ETF・REIT・債券など
利用可能年齢 20歳以上~ 0歳~
開設できる口座数 1人につき1口座(複数の証券口座で開設できません) 証券会社ごとに開設可
資産の途中引き出し いつでも可能

つみたてNISAと今までのNISAでは、運用できる金額が異なります。現行のNISAは年間に120万円まで非課税で運用できるのに対して、つみたてNISAでは年間40万円までに引き下げられています。

この2つを比較すると、ちょっと額が少なく感じるかもしれませんが、毎年40万円いっぱいまで非課税枠を活用し、20年間続けて投資すれば、非課税の恩恵を受けながら投資できる額は最大800万円です。(現行NISAでは最大600万円)

また、先にも書いた通り投資できる商品も違います。現行のNISAは株・投資信託・ETF・REITを買うことができますが、つみたてNISAは投資信託ETFに限られています。

つみたてNISA(積立NISA)は現行のNISAと併用ができません

今後つみたてNISAが始まるということで、『NISAの120万+つみたてNISAの40万で、年間160万円が非課税で運用できる!!』と考えた方も多いと思います。しかし、つみたてNISAは現行のNISAとの併用ができません。今後NISAを利用する場合は、どちらかを選ぶ必要があります。

投資信託を長期で積み立て、資産を作りたいという方は、2018年から始まるつみたてNISAは役立つ制度になりそうです。ただ、投資信託だけでなく株でも投資がしたい方は、現行のNISAを活用するのが良さそうです。

制度開始は18年1月から・口座開設手続きは2017年10月から

つみたてNISAの運用開始は18年1月からですが、口座開設の手続きは17年10月より開始されます(楽天証券は9月24日より受付開始予定)。この制度を利用する場合は、通常の証券口座の開設も必要です。また、つみたてNISAの口座は1人につき1口座のみ(複数の証券会社にNISA口座を開設できない)と、いくつか利用に条件があります。

事前に通常の証券口座を開設しておいて、各証券会社の使い勝手を調べておくのも良いかもしれません。

証券会社
(公式サイト)
特徴 詳細ページ
SBI証券 投資信託の取扱本数はネット証券トップクラス 詳細
楽天証券 楽天ポイントで投信が買えるなど独自サービスあり 詳細
マネックス証券 資産運用をおまかせできる『マネラップ』 詳細
カブドットコム証券 動画で投資を学ぶ『kabu.study』を用意 詳細
松井証券 取り扱う投信は低コストなものを厳選 詳細

NISAを利用するなら「マイナンバー」提出を

2018年以降にNISAを利用する場合は『マイナンバー』の提出が必須となります。現在NISAを利用しており、18年以降はつみたてNISAを利用したい方もマイナンバーの提出は必須となります。

マイナンバーのイメージ

関連記事

2018年以降にNISAを継続して使うなら『マイナンバー』の提出が必須です


つみたてNISA(積立NISA)のメリットとデメリットをおさらい

メリット

  •  ・つみたてNISAは、現行NISAと比較し、長い期間非課税で運用ができる(20年間)
  •  ・非課税投資額が最大800万円まで拡大(現行NISAは最大600万円)

デメリット

  •  ・年間に投資できる額は、現行のNISAと比較すると少ない。(トータルではつみたてNISAの方が多い)
  •  ・運用できる商品は、長期投資に向いている投資信託に限定される(株や毎月分配型投信などは除外される)

つみたてNISA(積立NISA)はどんな方におすすめな制度か?

では、つみたてNISAはどんな方に向けた制度なのでしょうか?この制度は投資によって生まれた利益にかかる税金が0%となります。また、投資できる商品はで安定的に資産形成ができる商品に限定されていますので、他の投資方法よりも比較的リスクが小さくなります。つみたてNISAは少額からコツコツと長期で資産形成をしたい方(安定的に資産運用したい方)向けの制度になるのではないかと考えています。

大きなリターンを目指すようなアクティブ投信や株などに投資したいという方は、通常の証券口座や現行のNISAでリスクを取った投資するという選択があると思います。

どの金融機関を選ぶか?

現時点では、つみたてNISAに関する情報が限られており、証券各社がどのような形でつみたてNISAを取り扱うのかは未定です。取り扱われる商品も限定され、販売にかかる手数料も無料の商品となる予定なので、証券各社は『投信買付手数料無料』といった差別化を図りにくいと見ています。(優遇があるとしたら、NISA口座開設に必要な住民票の取得代行かもしれません)

つみたてNISAを利用するときには、証券口座の開設も必要です。口座開設時に特典・キャンペーンを付けている証券会社もあるので、それらも有効活用すると良いと思います。

証券会社
(公式サイト)
特徴 詳細ページ
SBI証券 口座への入金で ①2,500円
株式投資のためのオリジナルレポート
詳細
楽天証券 楽天証券・楽天銀行での口座開設+双方の連携で
1,000円
詳細
マネックス証券 証券口座にて投信申込手数料を優遇 詳細
カブドットコム証券 投資信託の買付10万円以上で2,000円 詳細

金融庁が発表した「つみたてNISA」対象商品の基準

積立NISAの基準の当てはめ

金融庁 導入直前!「つみたてNISA」の制度概要 資料より

つみたてNISAは投資できる商品に条件があり、金融庁がお墨付きを出した商品のみ、積み立てができます。

つみたてNISA選定基準(投信)の詳細

※全商品ノーロードであることが前提

  1. ①インデックス型投信(TOPIXなど国内資産に投資するもの)
     ・信託報酬は0.5%以下
  2. ②インデックス型投信(MSCIコクサイなど海外資産に投資するもの)
     ・信託報酬は0.75%以下
  3. ③アクティブ型投信(国内資産に投資するもの)
     ・信託報酬は1%以下
  4. ④アクティブ型投信(海外資産に投資するもの)

     ・信託報酬は1.5%以下

  5. ③④共通の要件
     ・純資産額50億円以上で、運用開始から5年以上経過、運用期間の2/3は資金流入している(資金が集まって、順調に運用ができるもの)

どんな投信が「つみたてNISA」(積立NISA)の対象か『予想』

制度開始を前に、様々なメディアでつみたてNISAの対象商品の予想が出ています。以下はその一例です。(必ず下記の商品が対象になるとは限らないのでご注意ください)

予想】つみたてNISAの対象となるインデックスファンド
投信名 信託報酬
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.216%以内
たわらノーロード 先進国株式 0.243%
全世界株式インデックス 0.5184%
ニッセイ日経225インデックスファンド 0.27%
三井住友・DC新興国株式インデックスファンド 0.6048%
三井住友・DC日本株式インデックスファンドS 0.2052%
eMAXISバランス(4資産均等型) 0.54%以内
iFree S&P500 0.243%
SMT8資産インデックス 0.54%

インデックスファンドは『たわらノーロード』『<購入・換金手数料なし>』『iFree』 など、運用にかかる手数料を低く抑えたインデックスファンドシリーズなどが入ってくるだろうと予想しています。

予想】つみたてNISAの対象となるアクティブファンド
投信名 信託報酬
コモンズ30ファンド 1.0584%以内
さわかみファンド 1.08%
セゾン資産形成の達人ファンド 1.35%±0.2%
ニッセイ日本株ファンド 1.08%
フィデリティ・米国優良株・ファンド 1.6092%
ひふみ投信 1.0584%
結い2101 1.08%

一般的にアクティブファンドは、インデックスファンドに比べて販売手数料や、運用管理費用(信託報酬)が高く、長期の資産形成には向かないというイメージがありますが、ここに残ったファンドの運用管理費用は、どれも1%台前半に設定されています。

また、ニッセイ日本株ファンド・フィデリティ・米国優良株・ファンドを除くファンドは、独立系投信直販型投信などと呼ばれ、自社で投資信託の運用から販売までを手がけています。合わせて大手金融機関グループにない独自の投資哲学に基いた資産運用が行われています。『どのような形で運用をしているのか』『誰が運用をしているのか』など積極的な情報開示が多いのも、これらの共通する特徴です。

ひふみ投信スクリーンショット

関連記事

ひふみ投信・ひふみプラス、TOPIXを上回る成績を出すアクティブファンドの特徴を知る


以上のファンドはあくまでも推測なので、正式に積立NISAの対象商品と決まったわけではありません。しかし、今回の金融庁の発表は、積立NISAの将来図を予想できる注目すべき情報だと思います。

今後のNISA制度の変更案

また、確定事項ではありませんが、NISA・つみたてNISAについては以下のような制度の変更案が出ています。

  •  ・『NISA』と『つみたてNISA』の一本化を検討。
  •  ・『現行NISA』で、非課税期間終了後のロールオーバーについて。現在は120万円を上限に次の非課税枠への移行ができるが、今後は120万円の上限を撤廃することを検討

NISAは運用期間が5年間に限定されています。しかしロールオーバーを使うことで、5年の運用期間が終了した後も、引き続き5年間だけ運用を継続できます。

ただ、今までロールオーバーできる金額は120万円までした。『今後も成長するかもしれない』商品を、部分的に売却する必要があったのです。しかし、この上限撤廃が実施されれば、NISAを利用した資産形成のボトルネックが解消されます。

つみたてNISAと個人型確定拠出年金:イデコを比較

NISAと同じく、運用益にかかる税金が非課税となる制度に確定拠出年金:イデコがあります。この制度は投資信託などを積み立て、老後の年金を作る制度です。

運用益にかかる税金が非課税になるのは同じですが、それぞれの制度で大きく異るのは、運用期間です。確定拠出年金は、あくまでも年金を上乗せを目的とした制度で、原則60歳まで資金を引き出すことができません。5年、10年後に使うお金の運用には向いていません。また運用できる商品も異なり、確定拠出年金の方が運用できる商品の幅が広いです。

  つみたてNISA 確定拠出年金:イデコ
年間に投資できる額 40万円まで 14万4,000円~81万6,000円
非課税で運用ができる期間 20年間 60歳になるまで
投資できる商品 投資信託 預金・投資信託・保険
資産の途中引き出し いつでも可能 原則60歳になるまで不可
idecoのイメージ画像

関連記事

個人型確定拠出年金制度(iDeCo:イデコ)を活用しよう!

NISAも個人型確定拠出年金も、運用益にかかる税金が非課税なので、将来の資産形成に役立ちます。それぞれの制度にメリット・デメリットがありますので、そこを見極めて上手に利用していただきたいと思います。


初心者取引ガイド

証券会社の口座開設から、投資信託の取引や積み立て投資を始めるところまで、画像などを使いながら、初心者の方でもわかるように解説しています。

NISAをはじめよう!

NISA(少額投資非課税制度)は、投資の利益にかかる税金が、約20%から『非課税』になる制度です。メリット・デメリットを知り、上手にNISAを使いましょう!!

NISAで投資信託を運用