eMAXIS Slim 国内債券インデックスは必要か?元本割れリスクや今後の動向を解説
最終更新日:2026年8月5日
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、日本の国債や社債などへまとめて投資できる投資信託です。株式と比べて値動きが小さい傾向があるため、資産全体のリスクを抑える目的で活用されています。
しかし、基準価額が以前より低い水準で推移していることから、「本当に必要か?」と疑問に思う人も多いでしょう。
このページでは、eMAXIS Slim 国内債券インデックスについて、元本割れリスクや今後の考え方について詳しく解説します。
元本割れしない「個人向け国債」との違いも比較しているので、どちらを選ぶべきか迷っている人もぜひ参考にしてみてください。
eMAXIS Slim 国内債券インデックスの概要
| 運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
|---|---|
| 分類 | 国内債券型インデックスファンド |
| 連動対象 | NOMURA-BPI総合 |
| 販売手数料 (購入時手数料) |
無料 |
| 信託報酬 (運用管理費用) |
年0.132% |
| 信託財産留保額 | なし |
| NISA | 成長投資枠のみ対象 |
| 主な販売会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、三菱UFJ eスマート証券 |
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、日本の債券市場全体の動きを表す「NOMURA-BPI総合」への連動をめざして運用されるインデックスファンドです。
NOMURA-BPI総合には、日本国債だけでなく、地方債や社債なども含まれています。そのため、このファンド1本で国内のさまざまな債券へ分散投資できます。
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは元本割れする?
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、元本保証ではありません。そのため、購入した時より基準価額が下がると元本割れする可能性があります。
直近3年の値動きを見てみると、基準価額が右肩下がりとなっているのがわかります。実際に、2023年に購入して保有を続けている場合は、元本割れとなっています。
基準価額が下がっている理由の1つとして、2024年から日本の市場金利が急激に上昇したことがあげられます。
<金利の推移を表すグラフ>
金利が引き上げられたことで、新しく発行される債券の魅力が高まります。もらえる利息が増えるためです。
しかし、金利が引き上げられる前に発行された債券は、新しく発行される債券に比べて、魅力が低下します。仮に、金利が「3%」に上昇した場合、金利が「2%」の時に発行された債券は、価値が薄まってしまうのです。
そのため、金利が引き上げられる前に発行された債券は、価格が下がっていきます。
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、常に金利の高い債券を組み入れているわけではありません。低金利時代の債券も保有しています。
つまり、保有する債券価格の下落に伴って、基準価額も下落しているのです。
今後はどうなる?
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、金利がどう動くかで、今後の値動きが変わります。単純に考えれば、金利が上がれば基準価額が下がりやすくなり、金利が下がれば、基準価額が上がりやすくなります。
| 金利 | 考えられる値動き |
|---|---|
| 金利が上がる | 基準価額がさらに下がる可能性が高い |
| 金利が下がる | 基準価額が上がる可能性が高い |
日本銀行は追加利上げの可能性を示しており、金利が上昇すれば、基準価額がさらに下落する可能性があります。
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、満期まで7年以上ある債券を約半分保有しています。満期まで10年以上ある債券も多いため、すべてが短期間で新しく発行される債券へ入れ替わるわけではありません。
金利の上昇が続く限り、元本割れリスクが高い状況が続くでしょう。
一方、時間の経過とともに保有する債券は、新しく発行される債券へ少しずつ入れ替わっていきます。
将来的に、金利の上昇が落ち着けば、保有する債券の魅力が高まり、基準価額が下げ止まることが考えられます。
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは必要か?
eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、すべての人に必要なファンドではありません。資産を大きく増やしていきたい方には、不要でしょう。
しかし、資産を大きく増やすよりも、リスクを抑えた安定的な運用を目指したい方にとっては、ピッタリな商品です。
実際の値動きを確認してみましょう。資産形成の王道商品である「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の直近3年の値動きを見てみると、2025年4月に大きく下がっていることがわかります。
トランプ大統領が導入を表明した大規模な関税政策をきっかけに、株式市場が急落したいわゆる「トランプ関税ショック」と呼ばれる暴落です。
一方で、eMAXIS Slim 国内債券インデックスの2025年4月の値動きを見てみると、大きく下がっていることはありません。
こうした暴落に備えてeMAXIS Slim 国内債券インデックスを保有しておくと、資産を大きく減らすリスクを減らせます。
「株式だけでは値動きが大きくて不安」、「資産全体の値動きを抑えたい」という方は、eMAXIS Slim 国内債券インデックスを検討しても良いでしょう。
個人向け国債との違い
国内債券へ投資したいと考えたとき、比較されることが多いのが「個人向け国債」です。
個人向け国債は、国が個人向けに発行している債券です。半年ごとに利率が変わる変動金利型の「変動10年」と、発行時の利率が満期まで変わらない固定金利型の「固定5年」、「固定3年」の3タイプがあり、毎月発行されています。
eMAXIS Slim 国内債券インデックスと個人向け国債は、どちらも日本の債券に投資する商品ですが、元本割れリスクや値動きに大きな違いがあります。
| 項目 | eMAXIS Slim 国内債券インデックス | 個人向け国債 |
|---|---|---|
| 元本割れ | 可能性がある | 原則なし |
| NISA | 成長投資枠のみ | 対象外 |
| 値動き | 基準価額が毎営業日変動 | なし |
| 金利上昇時の影響 | 基準価額が下がりやすい | 固定金利:影響なし 変動金利:受取利子が増えることもある |
| 最低購入金額 | 100円 | 1万円 |
個人向け国債は、どのタイプでも満期まで持てば、投資した元本が戻ってきます。もし、想定外の出来事があってお金が必要になった場合も、発行から1年が経過していれば、中途換金もできます。中途換金した場合は、直前2回分の利子相当額が差し引かれます※。
※直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。
また、経済情勢などで金利が下がった場合も、年率0.05%の最低金利が保証されます。
最新の金利は次のとおりです。直近は、金利が「1.0%」を上回ることが増えてきました。
| 比較項目 | 変動10 | 固定5 | 固定3 |
|---|---|---|---|
| 最新の 金利 |
1.87% | 2.06% | 1.71% |
| 金利タイプ | 変動金利 | 固定金利 | |
| 満期 | 10年 | 5年 | 3年 |
(2026年8月現在)
個人向け国債は、利上げが追い風になることもポイントです。特に「変動10年」は、半年ごとに適用金利が見直されます。金利が上がれば、もらえる利息が増えます。
「元本割れがないことに魅力を感じる」、「利上げの恩恵を受けたい」という方は個人向け国債が向いているでしょう。
ただし、個人向け国債は、満期まで1万円以上の資金を拘束される点には注意が必要です。
その点、eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、100円から気軽に購入でき、ご自身の好きなタイミングで売買ができます。
ご自身の都合にあわせた商品を選びたいですね!
おすすめの証券会社
eMAXIS Slim 国内債券インデックスを購入するなら、投資信託の保有残高に応じてもらえるポイントの還元率が高い松井証券、SBI証券がおすすめです。
次の表は、eMAXIS Slim 国内債券インデックスの各証券会社の還元率です。
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eMAXIS Slim 国内債券インデックスは、日本の国債や社債などにまとめて投資できる、国内債券ファンドの定番商品です。金利が上がれば、基準価額が下がることもあるため、リスクはゼロではありません。
元本割れを避けたい人や、数年後にまとまったお金が必要な人、途中で売買をする予定がない人は、受け取れる金額が決まっている個人向け国債がおすすめです。
この記事の執筆者

やさしい投資信託のはじめ方編集部
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