投資信託の基礎2 - 投資信託の種類
インデックスファンドとは【投資信託の利回り・ランキング・簡単に解説】
最終更新:2023年3月
インデックスファンドとは、日経平均株価(日経225)やS&P500※といった指数と同じような値動きとなるように運用される投資信託です。
※S&P500はアメリカの代表的な会社の株式500銘柄から構成される指数です。
このページでは、「インデックスファンドの仕組み」から「指数別の利回りランキング」まで、初心者の方にもわかりやすく解説しています。
このページのもくじ
ニュース
2023年4月25日より、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が、信託報酬を「0.0968%以内」から「0.09372%以内」に引き下げます!
2023年3月30日、たわらノーロード S&P500が新規設定されます。業界最低水準の信託報酬「0.09372%」でS&P500に投資できるインデックスファンドです。その信託報酬は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「SBI・V・S&P500」を下回っています。
2023年3月22日、PayPay投資信託インデックス アメリカ株式が新規設定されました。超低コストでVTIに投資できるインデックスファンドです。その信託報酬は「SBI・V・全米株式」や「楽天VTI」を下回っています。
インデックスファンドとは?【簡単に解説】
インデックスファンドは、指数に連動するように運用される投資信託です。
以下の画像は、<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンドの運用実績です。基準価額がベンチマーク※である日経平均株価とほとんど同じような値動きをしていることがわかります。
※運用の目安とする指数

インデックスファンドを日本語に訳すと、インデックス(index)は「指数」、ファンド(fund)は「資金・財源」となります。
そもそもファンドとは?
ファンドとは、多くの人々から集められた大きなお金のことです。資金をひとつにまとめることによって、個人ではできないような大がかりな運用ができます。このような「ファンド」と呼ばれる仕組みの中でも代表的なものが「投資信託」です。
インデックスの種類
日経平均株価は日本の株式市場、S&P500はアメリカの株式市場、というように、インデックスは市場全体の動きを示します。言い換えれば、インデックスに連動する投資信託を買えば、市場全体に分散投資できて平均的な成果を得られるのです。
インデックスには、株式だけでなく「債券」や「リート」の市場動向を示す種類もあります。リートとは、比較的少額から不動産に分散投資できる株のような金融商品です。
<インデックスファンドの主な投資対象>


インデックスファンドには、次のような特徴があります。
- 市場全体に幅広く分散投資できる
- 運用にかかるコストが安い
- ノーベル賞を受賞した理論を実践できる
順番に解説していきます。
(1)市場全体に幅広く分散投資できる
インデックスは市場全体の値動きを表すものなので、インデックスファンドに投資すれば市場全体にまるごと分散投資できます。たとえば、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を買えば、それだけで世界中の株式およそ3,000銘柄に投資するのと同じような運用ができるのです。
(2)運用にかかるコストが安い
投資信託は保有している間、信託報酬という運用コストがかかります。日々、投資信託の資産から差し引かれ、価格に反映されます。
インデックスファンドは、積極的な運用を行うアクティブファンドよりも信託報酬が安いです。あらかじめ目標とする指数が決められていて、それに向かって運用すれば良いだけなのでコストを安く抑えられるのです。
アクティブファンドの場合、有望な投資先を調べるためのコストが必要となるため、運用コストが高くなります。以下の表は、海外の株式に投資するインデックスファンドとアクティブファンドを、それぞれ純資産総額※の大きい3銘柄で比較したものです。
※投資信託に集められた資金
分類 | 銘柄名 | 信託報酬 |
---|---|---|
インデックス | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0968% |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 0.162% | |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.0938% | |
主要インデックスファンド3銘柄の平均 | 約0.12% | |
アクティブ | アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース | 1.727% |
ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型) | 1.81% | |
netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし) | 2.09% | |
主要アクティブファンド3銘柄の平均 | 約1.88% |
このように、アクティブファンドよりインデックスファンドのほうが信託報酬を安く抑えられています。
(3)ノーベル賞を受賞した理論を誰でもかんたんに活用できる
広範囲に分散投資するインデックスファンドでの資産運用は、「現代ポートフォリオ理論」というノーベル経済学賞を受賞した理論を活用していることになります。この理論をざっくり説明してしまうと「同一のリターンを期待するとき最もリスクが少なくなるのは、市場全体の銘柄の組み合わせである」という内容です。
インデックスファンドは、あくまでも市場平均のリターンとなるので大儲けはできません。しかし、誰でも手間なく活用できることを加味すれば、インデックスファンドでの投資は、最も効率の良い運用方法と言っても過言ではないでしょう。
配当金なしでも儲かる仕組み【初心者向け】
「eMAXISシリーズ」や「SBI・Vシリーズ」など主要なインデックスファンドシリーズは、分配金※を出しません。
※株でいうところの配当と同じようなイメージ
分配金がなくても儲かる理由は、最終的に値上がり益として回収できるからです。ファンドを通じて投資する株式から得られた配当金は、自動的にファンド内で再投資されます。
分配金の金額はどれくらい儲かっているかとまったく関係ありません。分配金が支払われると、その分、投資信託の資産が減って価値が下がります。ですから、分配金が支払われた分、最終的な売却額は少なくなってしまいます。
つまり、投資信託の分配金は、投資したお金が戻ってくるだけの仕組みなのです。また、分配金には、次のようなデメリットがあります。
- 運用益から分配金が支払われると、その時点で約20%の税金がかかる
- 分配金を非課税口座で再投資する場合、投資枠を消費してしまう
分配金を出さない投資信託は、運用中にまったく税金がかからないので、利益が利益を生むことにより効率良く資産を増やせます。また、「つみたてNISA(積立NISA)」や「NISA」のような非課税口座の投資枠を最大限に活かせます。
【利回りを徹底比較】種類別の信託報酬ランキング
ここからは、インデックスファンドを「信託報酬」と「利回り」の両面から、種類別に徹底比較していきます。
安ければ安いほど確実に良い
インデックスファンドを比較するとき、特に重要なのが信託報酬です。信託報酬は、あらかじめ決まっているパーセンテージで必ずかかる固定コストなので、安ければ安いほど確実に良いと言えます。
純資産総額が増えやすい
また、信託報酬が低いインデックスファンドは投資家から重宝され、資金が集まりやすいです。そのため純資産総額が右肩上がりに増えていきやすく、安定した運用を期待できます。
ただし、インデックスファンドの利回りは、信託報酬だけで決まるものではありません。信託報酬以外の変動するコスト(隠れコスト)や、運用方法の影響などもあります。よって、実際の利回り(トータルリターン※)で比較して、本当に優れているインデックスファンドを確認していきましょう!
※値上がり益と分配金を合計した総合利回り
以下の表は、2023年3月現在の情報です。また、3年間のトータルリターンは年率換算で表示しています。
全世界株式
銘柄 | 信託報酬 (%) |
トータルリターン(%) | |
---|---|---|---|
6か月 | 1年 | ||
【連動対象】 MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
|||
おすすめ eMAXIS Slim |
0.1144 | 1.31 | 8.62 |
Smart-i | 0.1144 | 1.22 | - |
たわらノーロード | 0.132 | 1.31 | 8.58 |
つみたて | 0.22 | 1.29 | 8.47 |
ステート・ストリート | 0.528 | 1.13 | 8.27 |
【連動対象】 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
|||
雪だるま | 0.1102 | 1.9 | 8.36 |
おすすめ SBI・V |
0.1338 | 1.68 | 8 |
楽天・バンガード | 0.199 | 1.66 | 7.81 |
連動対象「MSCI・オール・カントリー・ワールド・インデックス」は、全世界の大型株・中型株(約3,000銘柄)から構成されています。
もう一方の連動対象「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」は全世界の大型株・中型株・小型株(約8,000銘柄)から構成されています。
米国株式
銘柄 | 信託報酬 (%) |
トータルリターン(%) | |
---|---|---|---|
6か月 | 1年 | ||
【連動対象】 S&P500 |
|||
SBI・V | 0.0938 | -1.03 | 8.62 |
iシェアーズ | 0.0938 | -1.06 | 8.25 |
おすすめ eMAXIS Slim |
0.0968 | -1.05 | 8.65 |
つみたて | 0.22 | -1.11 | 8.51 |
Smart-i | 0.242 | -1.3 | 8.23 |
iFree | 0.2475 | -1.11 | 8.49 |
NZAM | 0.22 | -1.14 | 8.43 |
ステート・ストリート | 0.495 | -1.31 | 8.09 |
【連動対象】 CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
|||
おすすめ SBI・V |
0.0938 | -0.84 | 8.01 |
楽天・バンガード | 0.162 | -0.84 | 7.91 |
連動対象「S&P500」はアメリカの大型株(約500銘柄)から構成されています。
連動対象「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」はアメリカの大型株・中型株・小型株(約4,000銘柄)から構成されています。VTIの連動対象です。
バランスファンド
国内株式
先進国株式
新興国株式
銘柄 | 信託報酬 (%) |
トータルリターン(%) | |
---|---|---|---|
1年 | 3年 | ||
【連動対象】 MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
|||
おすすめ eMAXIS Slim |
0.187 | 0.07 | 7.51 |
My SMT | 0.187 | -0.02 | 7.56 |
ニッセイ | 0.2079 | -0.32 | 7.46 |
つみたて | 0.374 | -0.12 | 7.32 |
たわらノーロード | 0.374 | -0.46 | 6.43 |
三井住友 | 0.374 | -0.54 | 7.39 |
Smart-i | 0.374 | -0.55 | 6.97 |
日興 | 0.374 | -0.33 | 7.29 |
eMAXIS | 0.66 | -0.39 | 7.04 |
Funds-i | 0.66 | -0.29 | 7.34 |
【連動対象】 FTSE・エマージング・インデックス |
|||
雪だるま | 0.176 | -0.08 | 8.74 |
【連動対象】 FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス |
|||
楽天・バンガード | 0.212 | -0.12 | 9.22 |
【連動対象】 FTSE RAFI エマージング インデックス |
|||
iFree | 0.374 | 3.87 | 9.17 |
連動対象「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」は、新興国の大型株・中型株(約1,400銘柄)から構成されています。
雪だるまの連動対象「FTSE・エマージング・インデックス」も、新興国の株式から構成されています。「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」には韓国が含まれていますが、「FTSE・エマージング・インデックス」に韓国は含まれていません。
楽天・バンガードの連動対象「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」は、新興国の大型株・中型株・小型株(約5,000銘柄)から構成されています。中国A株とは、通常は中国の国内投資家しか取引できない中国株のことです。
iFreeの連動対象「FTSE RAFI エマージング インデックス」は、一定の基準を満たした新興国の株式(約400銘柄)から構成されています。
国内債券
銘柄 | 信託報酬 (%) |
トータルリターン(%) | |
---|---|---|---|
1年 | 3年 | ||
おすすめ eMAXIS Slim |
0.132 | -3.38 | -2.3 |
ニッセイ | 0.132 | -3.42 | -2.36 |
Smart-i | 0.132 | -3.4 | -2.33 |
iFree | 0.132※ | -3.36 | -2.32 |
たわらノーロード | 0.154 | -3.43 | -2.35 |
三井住友 | 0.176 | -3.39 | -2.34 |
三菱UFJ | 0.385 | -3.63 | -2.55 |
SMT | 0.407 | -3.67 | -2.57 |
インデックスe | 0.407 | -3.71 | -2.6 |
eMAXIS | 0.44 | -3.68 | -2.6 |
Funds-i | 0.44 | -3.72 | -2.6 |
日興 | 0.495 | -3.59 | -2.59 |
※iFreeの信託報酬は、新発10年国債の利回りが1%以上の場合、0.242%となります。
連動対象「NOMURA-BPI総合」は、国内の債券市場の動向を表す代表的な指数です。
先進国債券
新興国債券
国内リート
銘柄 | 信託報酬 (%) |
トータルリターン(%) | |
---|---|---|---|
1年 | 3年 | ||
おすすめ eMAXIS Slim |
0.187 | 1.86 | 0.58 |
Smart-i | 0.187 | 1.87 | 0.62 |
NZAM | 0.264 | 1.72 | - |
たわらノーロード | 0.275 | 1.74 | 0.47 |
ニッセイ | 0.275 | 1.74 | 0.63 |
三井住友 | 0.275 | 1.77 | 0.74 |
iFree | 0.319 | 1.68 | 0.54 |
eMAXIS | 0.44 | 1.63 | 0.41 |
Funds-i | 0.44 | 1.68 | 0.64 |
SMT | 0.44 | 1.58 | 0.43 |
連動対象「東証REIT指数」は、東京証券取引所に上場しているすべてのリート(約60銘柄)から構成されています。
海外リート
おすすめ証券会社での買い方・始め方
インデックスファンドを買うには、金融機関(証券会社や銀行)の口座が必要です。優良なインデックスファンドを多く取り扱っているネット証券で始めることをおすすめします。
以下の表は、主なインデックスファンドの「運用中のポイント還元率」、「取り扱いの有無」について比較した表です。
取り扱われている場合は「還元率」、取り扱われていない場合は「-」を表示。
楽天証券は2022年4月から運用中の定期的なポイント還元を廃止したため、取り扱われている場合「還元率」の代わりに「○」を表示。
銘柄名 | SBI | マネックス | au カブ コム |
楽天 |
---|---|---|---|---|
SBI・V・S&P500 | 0.022 | 0 | 0.005 | - |
SBI・V・全米株式 | 0.022 | - | 0.005 | - |
SBI・V・全世界株式 | 0.022 | - | 0.005 | - |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.034 | 0.03 | 0.005 | ○ |
eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) |
0.042 | 0.03 | 0.005 | ○ |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 0.05 | 0.03 | 0.005 | ○ |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.05 | 0.03 | 0.005 | ○ |
まずは、口座開設するところから始めましょう。管理人イチオシの証券会社であるSBI証券の口座開設手順は以下のページでご確認いただけます。
約5分で申込み完了します。
ここからはインデックスファンドの具体的な買い方をご紹介します。このページでは、スマートフォン表示での注文方法を解説するので、パソコンをお使いの方は以下のページをご覧ください。
インデックスファンドの購入手順
①まず、SBI証券でログインして、『メニュー』をタップします。


②画面を下にスクロールして『投資信託』→『投資信託トップ』の順でタップします。


③検索ボックスに「買いたい投資信託の名称」を入力して、検索ボタンをタップします。今回はSBI・V・S&P500を検索するために「sbi v 500」と入力します。


④検索結果に表示された『SBI – SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』をタップします。


⑤『買付』をタップします。


⑥買付方法を選択します。今回は『金額指定買付』で進めていきます。


⑦「目論見書補完書面」と「目論見書」を確認して、『同意して次へ』をタップします。


⑧「購入金額」、「取引パスワード」などを入力して『確認』をタップします。
SBI証券では、TポイントまたはPontaポイントを使って投資信託を買えます。今回はTポイント設定で「全部利用する」を選択してみました。ポイント投資したい方は、前もって、ポイントの会員番号をSBI証券に登録しておきましょう。


⑨最後に、注文確認画面が表示されるので、問題なければ『発注』をタップします。

これで注文完了です!
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インデックスファンドとは、日経225やS&P500といった指数と同じような値動きとなるように運用される投資信託です。効率良く資産形成できるように、分配金を出さないものが多い傾向にあります。誰でも手間なく活用できるので、初心者の方にとっても、扱いやすい投資信託です。

約5分で申込み完了します。
次のページでは、積極的に利益を追求するタイプの投資信託である、「アクティブファンド」の特徴やそのメリット・デメリットについて見ていきます。