投資信託の基礎2 - 投資信託の種類
インデックスファンドとは?
先ほど紹介したバランスファンドは、「インデックスファンド」をいくつか組み合わせて構成されています。それでは、インデックスファンドとは、いったいどのようなファンドでしょうか?
初心者の方向けに、わかりやすく解説します。
インデックスファンドは『日経平均株価』などの株式指標と同じような動きをする
インデックスファンドは、『日経平均株価』や『NYダウ』などの株式指標(インデックス)と、同じような値動きをするように作られた投資信託です。つまり、平均点を狙った投資信託といえます。

上の画像は、日経平均株価(●赤色)と、日経平均株価と連動するように作られた上場投資信託(投資信託の一種 ●青色)の価格推移をグラフ化しています。2つがだいたい同じように動いていることが分かります。
ここでは、日経平均株価を連動対象(ベンチマーク)としたインデックスファンドを例に出しましたが、この他にも『日本の株式:TOPIX連動型』、『海外の株式:NYダウ連動型』、『さまざまな資産に投資:バランス型』など、いろいろなファンドがあります。
<インデックスファンドの例>
(たわらノーロードシリーズより一部抜粋)

投資できる地域 | 投資できる商品 |
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インデックスファンドのメリット・デメリット
ここからは、インデックスファンドのメリットとデメリットについて見ていきます。
メリット①:市場の動きに手軽に投資できる
たとえば、「米国の株式市場に投資が好調なので、米国株に投資したい」という場合、NYダウなどを連動対象とした投資信託を持てば、米国株の成長に乗っかることができるのです。外国株の口座を開設して、有望な銘柄を探して投資するよりも、時間と手間もかかりませんし、投資信託を介して複数の銘柄に投資するので、リスク分散にもつながります。
メリット②:ファンドの保有時にかかるコストが低い
投資信託は購入時や保有時に手数料がかかってきます。インデックスファンドにもこの手数料がかかるのですが、インデックスファンドは株価指数に連動するというシンプルな作りのため、運用にかかる手数料が低く抑えられています。
こちらは2020年5月現在、国内株式に投資する投資信託の中から、SBI証券で積み立て設定件数が多い銘柄の信託報酬を、「アクティブ型」と「インデックス型」で比較したものです。アクティブ型と比較して、インデックス型の信託報酬が低いことが分かると思います。
銘柄 | 分類 | 信託報酬 |
---|---|---|
ひふみプラス | アクティブ型 | 1.07% |
GS日本フォーカス・グロース | アクティブ型 | 1.68% |
ニッセイ日経平均インデックスファンド | インデックス型 | 0.15% |
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX) | インデックス型 | 0.15% |
デメリット:運用成績は連動する指数とほぼ同じになる
インデックスファンドは、「市場の平均」である株価指数と連動するように作られた商品です。ですから、市場平均以上に儲けを求める場合には、インデックスファンドを保有することは向いていません。
インデックスファンドはどんな場面で使うのがおすすめ?
インデックスファンドは、先に紹介したとおり、運用にかかるコストが低いことが特徴です。ですから、長期にわたる資産運用、たとえば積み立て投資による資産形成やイデコを利用した年金づくりなどに使われることが多いです。また、優秀な成績を収めるアクティブファンドを自分で選ぶのは、なかなか難しいことなので、インデックスファンドは初心者の方にもおすすめです。
インデックスファンドを選ぶポイント
それでは、インデックスファンドを選ぶときにどんな点に注意すればよいか確認しておきましょう。
ファンドに集まる資金の動向を確認

純資産総額はファンドに集まる資金です。投資信託は、顧客から集めた資金を元手に運用をします。この資金が集まらないと、投資信託の運用が止まってしまう(償還される)可能性もあります。ファンドを選ぶときには、純資産総額がおおむね右肩上がりに増えているかどうかチェックしましょう。この純資産総額は、証券会社の投資信託紹介ページなどで確認できます。
運用にかかる手数料を確認する

投資信託は、購入時や運用時に手数料がかかります。特に運用時の費用『信託報酬(運用管理費用)』は、資産運用を続けている期間中ずっとかかるものです。ここの費用を忘れずにチェックしましょう。
インデックスファンドは、ネット証券を中心に多くの取り扱いがあります。証券会社ごとに取り扱う商品や本数が違います。以下で主要ネット証券のインデックスファンドの取り扱い本数や特徴をまとめました。
代表的なインデックスファンドシリーズを紹介
インデックスファンドは、多くの種類があります。その中でも国内外のさまざまな指標をベンチマークとするインデックスファンドをシリーズ化したものが販売されています。ここでは代表的なファンドシリーズを紹介します。どのシリーズも低コストで運用できることが注目され、個人投資家の人気を集めるファンドも出てきています。
ここで紹介するシリーズの中でも、運用にかかるコストを重視する方に注目していただきたいのがeMAXIS Slimシリーズ(三菱UFJ国際投信)と、ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズです。どちらも運用コストの引き下げに積極的で、業界最安水準の運用コストの商品を購入することができます。ネット証券の積み立て設定ランキングにおいても、どちらのシリーズも人気を集めています。
eMAXIS Slim・eMAXISシリーズ

「eMAXIS」は、数あるインデックスファンドシリーズの中でも、老舗のシリーズです。シリーズ本数は計59本と、他のシリーズを圧倒するラインナップです(2020年現在)。
また、近年新たにラインナップに追加された「eMAXIS Slim」は、運用時にかかる手数料(信託報酬)を業界最低水準にすることを目指しています。
投資地域 | ファンド名 | 信託報酬 | 紹介ページ (SBI証券) |
---|---|---|---|
国内 | 国内株式(TOPIX) | 0.15% | 詳細 |
海外(先進国) | 先進国株式インデックス | 0.10% | 詳細 |
ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズ

<購入・換金手数料なし>シリーズは、ファンドの購入時・換金時にかかる手数料が無料というメリットを前面に押し出したシリーズです。また、ファンドの運用時にかかるコストも、業界最低水準に設定されています。当シリーズにラインナップされているニッセイ外国株式インデックスファンドは、ネット証券会社の投資信託ランキングでは上位に食い込むほど人気があります。
投資地域 | ファンド名 | 信託報酬 | 紹介ページ (SBI証券) |
---|---|---|---|
国内 | TOPIXインデックスファンド | 0.15% | 詳細 |
海外(先進国) | 外国株式インデックスファンド | 0.10% | 詳細 |
「たわらノーロード」シリーズ

「たわらノーロード」シリーズは、国内外の株式や債券・リートなどの基本的なインデックスファンドをそろえています。その他にも、インデックスファンドを組み合わせて作るバランスファンドの種類も13本そろえるなど、豊富なラインナップが特徴です。ちなみに、「ノーロード」というのは、ファンド購入時の手数料(販売手数料)が無料という意味です。
投資地域 | ファンド名 | 信託報酬 | 紹介ページ (SBI証券) |
---|---|---|---|
国内 | たわらノーロード TOPIX | 0.18% | 詳細 |
海外(先進国) | たわらノーロード 先進国株式 | 0.10% | 詳細 |
シリーズ名 | 本数 |
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eMAXIS(イーマクシス、eMAXIS Slimを含む)注目 | 59 |
SMT(スマート)インデックス、i-SMT | 37 |
たわらノーロード | 27 |
Funds-i(ファンズアイ) | 25 |
iFree(アイフリー) | 15 |
Smart-i(スマートアイ) | 15 |
三井住友・DC(DC兼用) | 14 |
iシェアーズ(旧i-mizuho・アイミズホ) | 13 |
ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズ注目 | 12 |
つみたてんとう | 9 | 楽天・バンガード・ファンド注目 | 8 |
インデックスe | 5 |
EXE-i(エグゼアイ) | 5 |
雪だるま(SBI・インデックス・ファンド) | 3 |
次のページでは、積極的に利益を追求するタイプの投資信託である、「アクティブファンド」の特徴やそのメリット・デメリットについて見ていきます。