投資信託の失敗例を教えてください。【パート1】
お悩み
投資信託をはじめようと思っています。失敗例を知りたいので教えてください。
回答
「ファンドの中身を知らずに投資信託を購入」という失敗例をご紹介します。
失敗エピソード
老後2,000万円問題を耳にしたAさんは、老後資金の足りない分を資産運用で賄おうと思い、初めて投資信託を買いにいきました。その金融機関で営業マンからすすめられたファンドは、「ワールドワイドAIファンド」(仮名)という、いわゆる“テーマ型ファンド”でした。
資料を見ても確かに人気があり、また、AI(人工知能)という流行の話題でもあり、なんだか儲かりそうとワクワクして購入しました。
しかし、購入直後は調子が良かったのですが、徐々に運用成績がさえず、ついには含み損となってしまいました。
もともと長期投資が目的だったために、そのまま保有していればいつか上がるだろうと思って保有していましたが、なんとそのファンドは、償還期限が5年後に設定されており、強制的に解約させられてしまいました。
【ここで失敗(1)】
テーマ型ファンドを買ってしまった
テーマ型ファンドとは、世の中で話題となっているテーマに着目し、それに関連する銘柄で固めたファンドのことを言います。投資家から注目されている間は良いのですが、流行が廃れると運用成績が伸び悩んでしまう傾向にある点に注意が必要です。
例えば、過去には、「インターネット」、「BRICs(ブラジル・ロシアなどの新興国)」、などのテーマが話題となり、こぞってファンドが作られましたが、運用成績は思うように振るいませんでした。
テーマ型ファンドが作られる背景には、「販売会社が売りやすい」というポイントがあるのですが、その時に旬となっているテーマ株は、すでに割高であることが多く、主にそのような株が組み込まれるため、成績が振るわない要因になっています。
【ここで失敗(2)】
償還期限があることを知らなかった
「長期投資をしようと思って買っていたファンドが突然償還されてしまう…」というのは、投資信託では、しばしば遭遇します。投資信託における「償還」というのは、運用期間が終わり、ファンドの保有者に対して運用していたお金を返すことを言います。
償還には、いくつかのパターンがあり、この場合はあらかじめ決められた償還期限に従って運用されており、その事実を認識していなかったAさんに問題があります。
ファンドが償還される他の例としては、ファンドにお金がなくて続けられないケースです。運用成績が振るわないと、投資家の資金流出が続き、運用の元手となる純資産が少なくなったため、償還せざるを得なくなります。
あまりにも少ない金額では、ファンドの運用会社にとってもメリットがないため、償還されてしまいます。一般的には30億円を切ってくると、償還されるリスクが高くなると言われていますので、純資産総額については、少なくなっていないか確認をしておきましょう。
ファンドの中身を知らずに買うことは、適当にファンドを選んで買っていることと変わりません。ご自身の将来のためにも、商品性をしっかりと理解、納得したうえで買いましょう。