『ラクにお金を増やせる最強のインデックス投資』を読みました。
『ラクにお金を増やせる最強のインデックス投資』を読みました。普通の人でもできるお金の増やし方について大変わかりやすく解説されており、極めて推奨すべき良書だと思いましたのでレビュー記事を投稿します。
概要（構成・著者）
おすすめ書籍
| 第1章 | 長期投資に出遅れなし。始めるときは、常に今 |
|---|---|
| 第2章 | 超カンタン インデックス投資の始め⽅ |
| 第3章 | インデックス投資実践編 |
| 第4章 | ド素人でもお金が育つ運用のツボ |
| 第5章 | 暴落を利益に変える シンプルなリスク管理法 |
| 第6章 | 早期リタイアするとき、チェックしたこと |
| 第7章 | 世界一カンタン ゆるトク出口戦略 |
著者はNightWalkerさんです。プロフィールは以下のとおりです。
NightWalker（著）
インデックスファンドがメインの個人投資家。投資ブログ「NightWalker's Investment Blog」を運営し、「普通の人のための普通の投資」の普及を願って、日々、メッセージを発信中。1984年、普通にサラリーマンになり、39歳の時、ネット証券で株式投資を始め、同時期に投資信託の積立を開始。2015年に退職勧奨を契機に投資で築いた運用資産と優遇退職金で早期退職を決断。ちょっとだけ再就職するもサラリーマンに向いていないことにいまさら気付き、完全アーリーリタイア。自身が運用中のポートフォリオは、目下、全世界株式一本に集約中。無リスク資産を50％にしたリスク抑えめのカウチポテト運用。
出典：ぱる出版
最近、パフォーマンスが落ちてるよね
「最近、パフォーマンスが落ちてるよね」
このフレーズから当書籍は始まります。著者が上司との面談で早期退職勧告を受ける場面です。少々ご自身を卑下するようなところから始まったかと思えば、すぐにケロっとプラス思考で軽やかに書き出される冒頭が、その人柄を感じさせます。
著者であるNightWalkerさんは、2005年から投資ブログを運営している古参の投資家で、制度がはじまるにあたって開かれた「つみたてNISA座談会」が金融庁のページで公開されるほどの人物です。
インデックス投資により、人生に必要な資産を形成し、早期リタイアを決断されました。つまり、今でこそ一般的な概念となったFIREを時代に先駆けて実行された方なのです。
期待リターンに期待しない
「FIREするためには、これくらいの資産が必要だから、この年率リターンだったら、このくらいの積立金額が必要で......」などと、人はつい欲しいリターンを考えてしまいがちです。しかし、FIREの先駆者である著者は「リターンよりもリスクを重視することが、長期投資の成功率を高める」と説いています。
自分自身にとって適切なリスクを取り続けることを重視するのです。リスクは取り過ぎれば運用を失い、取らなさ過ぎるとリターンを失います。
また、そもそも期待リターンについても、あまり期待してはいけないと書かれています。
たとえば、日経平均株価の20年間の期待リターンを知りたいとします。しかし、日経平均株価は70年弱の歴史しかないため、その中でユニークな過去データは3つしか取れません。よって、過度に期待リターンに期待しないほうが賢明なのです。
自分自身に命令しない者は、生涯奴隷である
当書籍には、著者が早期リタイア（FIRE）するときにチェックしたことが書かれています。ただし、インデックス投資はおすすめしても、FIREはおすすめしないとも書かれています。FIREの話が出たら「やめておきなさい」とおっしゃるそうです。
FIREは、自己責任の度合いが高く、そもそもそれを実践する人は「事後報告」か「周りには言わない」といった人が多いそうです。自由というものには向き不向きがあり、それは会社勤めか否かにより決まるものでもないとのことです。
自由という概念について、詩人ゲーテの言葉が引用されています。
自分自身に命令しない者は、
生涯奴隷である
（著者意訳）
中ぐらいの勝利で満足するものは常に勝者であり続けるだろう
人間にとって最も大切な資源は「時間」であると、FIREから8年経ってあらためて感じているそうです。
人とつながることのできるコミュニティこそが幸せになる力。しかし、それは探すにも楽しむにも時間が必要。
つまり、たかがお金を増やす程度のことに労力を掛けるべきではない。そして、これをアシストする方法論こそが、インデックス投資。
インデックス投資に通ずる名言として、政治思想家マキアヴェッリの言葉が引用されています。
中ぐらいの勝利で満足するものは常に勝者であり続けるだろう。
出典：マキアヴェッリ語録
反対に、圧勝することしか考えない者は、しばしば、陥し穴にはまってしまうことになる。
筆者（やさしい投資信託のはじめ方編集部）も、NightWalkerさんのブログを拝読し勉強させていただいております。
このページでは、閲覧者の方への耳馴染みの良さを優先して「FIRE」という言葉を用いています。しかし、NightWalkerさんは、ご自身の決断について、あえて「早期リタイア」という言葉を選んで使われています。
そんなお人柄も筆者は好きです。
『ラクにお金を増やせる最強のインデックス投資』は「投資初心者の人に1冊おすすめするならコレしかない」というレベルで群を抜いた良書でした。
この記事の執筆者
やさしい投資信託のはじめ方編集部
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