eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の評価と利回り【オルカン】

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、数ある投資信託の中でもイチオシの銘柄です。投資家の間では親しみを込めて”オルカン”と呼ばれ、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」でも圧倒的な支持を受けて1位を獲得しています。
※「eMAXIS Slim」はイーマクシススリムと読みます
このページでは、投資ブログを書いている方々から、凄まじく評判の良いeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)について、「平均的な利回り」や「iDeCoで投資できる金融機関」などを徹底解説しています!
Contents
概要(評価・手数料・分配金の有無など)
最新のチャートをご覧いただけます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)をイチオシと評価する理由は、主に次の3つです。
- たった1本で全世界の株式に分散投資できる
- 低コストで運用できる
- 分配金を出さないため効率良く資産形成できる
(1)たった1本で全世界の株式に分散投資できる
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、国内・海外先進国・新興国すべてを含む「全世界の株式」を投資対象とするインデックスファンドです。
過去のパフォーマンスが良い米国株式型ファンド(S&P500)や先進国株式型ファンド(MSCIコクサイ)を支持している投資家さんもいらっしゃるようですが、やはりインデックスファンドを使うなら全世界株式に投資するのが王道です。
過去の実績は、未来の成果を保証するものではありません。これから一番良い成績をあげるのは、アメリカなのか、日本なのか、先進国なのか、新興国なのか、誰にもわかりません。それなら、いっそのこと全世界に丸ごと投資してしまうのが最も無難なのです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を使えば、たった1本で全世界への株式投資を完結させられます。しかも、この銘柄は、経済の移り変わりに合わせて、各地域へ投資する割合、組み入れ銘柄をファンド内で自動的に入れ替えていきます。とても使い勝手の良い投資信託です。
(2)低コストで運用できる
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、eMAXIS Slimシリーズのひとつです。このシリーズは、業界最低水準の運用コストを目指し続けます。つまり、eMAXIS Slimは、常に最もお得に運用できる銘柄であり続けるということです。
しかも、この銘柄は受益者還元型信託報酬という仕組みを採用しています。以下の表のように純資産総額(投資信託の運用資金)が増えれば増えるほど、運用にかかるコストが安くなるのです。
純資産総額 | 信託報酬 |
---|---|
500億円未満の部分 | 0.1144% |
500億円以上 1,000億円未満の部分 |
0.11385% |
1,000億円以上の部分 | 0.1133% |
また、インデックスファンドの運用成績は、信託報酬の安さだけで良し悪しが決まるわけではありません。それ以外のコストも含めた実質コストや、運用方法の影響が最終的なリターンに現れます。
銘柄名/信託報酬 | トータルリターン | |
---|---|---|
1年 | 3年※ | |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) /0.1144% |
8.62% | 16.65% |
たわらノーロード全世界株式 /0.132% |
8.58% | 16.50% |
つみたて全世界株式 /0.22% |
8.47% | - |
(2023年3月現在)
※年率換算
このように総合的なリターンで見ても、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は優れているので、投資家たちから支持されているのです。
(3)分配金を出さないため効率良く資産形成できる
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は分配金を出していません。積立投資などで資産形成をするなら、このような分配金を出さない銘柄のほうが効率良く運用できます。
かんたんに言ってしまうと、投資信託の分配金は、投資したお金が戻ってきてしまうだけの仕組みなのです。分配金をもらえたからといって儲かっているわけではありません。その分、投資信託の価値が下がるからです。
しかも、運用益から分配金が支払われると税金がかかってしまいます。NISA口座(非課税口座)であれば税金はかかりませんが、分配金を再投資するときに貴重な非課税枠を余分に使ってしまうことになります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、株式から得られた配当をファンド内で自動的に再投資してくれるので、効率良く運用できます。分配金を出さない分、投資信託の価値が上がることによって儲かるということです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の平均的な利回り
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の平均的な利回りは、年利8.98%※が目安です。
※利回りの根拠は、連動対象であるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)の2003年~2022年のCAGR(年平均成長率)から、想定される運用コストを差し引いて算出した数値です。
(参考ページ:CAGR(年平均成長率)|やさしい株のはじめ方)
下のグラフは、過去20年分の値動きのイメージです。(2003年時点を10,000円としています)

なお、直近は上げ相場が続いています。あくまでも参考としてご覧ください。
iDeCoでオルカンに投資できる金融機関
節税できるお得な年金制度iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)で投資できる金融機関は、松井証券・マネックス証券・auアセットマネジメントの3社だけです。3社とも加入時・運用中にかかる手数料が、業界最安水準に設定されています。
特に松井証券のiDeCoは、業界最低水準の運用コストを目指し続ける「eMAXIS Slimシリーズ」をすべて取りそろえていて、商品ラインナップが充実しているので、おすすめです。
銘柄名 | 松井 | マネックス | SBI | 楽天 |
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eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | ![]() |
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eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | ![]() |
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eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) | ![]() |
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SBI・全世界株式インデックス・ファンド | – | – | ![]() |
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楽天・全世界株式インデックス・ファンド | ![]() |
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ちなみに、つみたてNISAの場合、SBI証券や楽天証券でも、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に投資できます。
「オールカントリー」と「除く日本」どっちがいいの?
eMAXIS Slim 全世界株式には「オールカントリー」と「除く日本」があり、この2つの投資信託は似ています。両者の違いは、投資対象に日本が含まれているかいないかです。
銘柄名 | 国内 株式 |
先進国 株式 |
新興国 株式 |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 5.5% | 82.9% | 11.5% |
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | - | 87.8% | 12.2% |
(2023年1月31日時点)
投資信託だけで資産形成を完結させようとしている方には「オールカントリー」をおすすめします。先に書きましたとおり、どの国の株式が良い運用成績となるかは誰にもわかりません。日本も例外なく適切な割合で投資対象に含めたほうが無難です。
一方、個別で日本株にも投資しているような方には「除く日本」をおすすめします。日本国内への投資は個別株を使っている部分で十分なので、あえて投資信託の運用資金まで国内株式へ回す必要はないからです。
おすすめ証券会社の還元率
大手ネット証券には、投資信託を持っているだけで現金やポイントがもらえるサービスがあります。なんの特典もない金融機関で買うよりも間違いなくお得です。
銘柄によって還元率が異なるため、銘柄ごとに最も還元率の良いところで取引できるように、複数の証券会社に口座開設して使い分けるとさらにお得です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の各証券会社の還元率は、以下の表のようになっています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の場合、SBI証券が最も還元率の高い証券会社です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、たった1本で全世界の株式に国際分散投資できる優れものです。他にも全世界株式型ファンドはありますが「イチオシはどれ?」と聞かれれば、個人的な意見としては、この銘柄以外ありえません!
この記事の執筆者

やさしい投資信託のはじめ方編集部
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