楽天VTIとは?買い方・デメリットなど解説【配当金はいつもらえる?】
楽天VTIは、米国株式に分散投資したい方へおすすめのインデックスファンドです。呼び名に「楽天」と付いていますが、SBI証券やマネックス証券など楽天証券以外の証券会社でも買えます。
このページでは、楽天VTIについて「平均的な利回り、分配金(配当)」から「デメリット、買い方、始め方」まで徹底解説しています。
Contents
楽天VTIとは【概要・正式名称・手数料など】
最新の価格・チャートをご覧いただけます。
楽天VTIとは、楽天・全米株式インデックス・ファンドのことです。楽天投信投資顧問が運用している投資信託で、主要な投資対象がVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)となっているため、投資家の間で「楽天VTI」と呼ばれるようになりました。
VTIは、インデックスファンド世界シェアNO.1であるバンガード社が運用している海外ETFです。アメリカの大型株から小型株までほぼすべて網羅している指数に連動するように運用されるため、これ1本で、米国株式にまるごと投資するのと同じような運用成果を得られます。
直接VTIに投資しようとすると、まとまった金額が必要となったり、分配金を再投資する手間が必要となったりします。しかし、楽天VTIを使えば、100円から購入可能ですし、分配金の再投資もファンド内で完結するため手間がかかりません。
また、楽天VTIであれば、つみたてNISA(積立NISA)を利用できる点も見逃せません。VTIだと、つみたてNISAを使っての投資ができません。
比較項目 | 楽天VTI | VTI |
---|---|---|
分類 | 国内投資信託 | 海外ETF |
必要資金 | 100円 | 約25,000円 |
分配金 | なし (ファンド内で 再投資) |
あり |
つみたてNISA での投資 |
○ 可能 | × 不可 |
楽天VTIは、信託報酬が0.162%※と低く抑えられており、純資産も順調に増えていて7,000億円を超えているため、米国株に分散投資したい方へおすすめの投資信託です。
※VTIの経費率を含む実質的な負担
全米株式の平均的な利回り
楽天VTI(正式名称:楽天・全米株式インデックス・ファンド)の平均的な利回りは、年利8.38%※が目安です。
※利回りの根拠は、CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)の2002年~2021年のCAGR(年平均成長率)から、想定される運用コストを差し引いて算出した数値です。
(参考ページ:CAGR(年平均成長率)|やさしい株のはじめ方)
下のグラフは、過去20年分の値動きのイメージです。(2002年時点を10,000円としています)
なお、直近は上げ相場が続いています。あくまでも参考としてご覧ください。
分配金(配当)【いつ?いくら?】
楽天VTIは分配金を出していません。「いつもらえる?」、「いくらもらえる?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、楽天VTIはこれからも分配金を出さないでしょう。
これは、積立投資などで資産形成をする場合、分配金が支払われない銘柄のほうが効率よく運用できるためです。分配金は、投資信託の資産から支払われるため、その分、投資信託の価格を下げてしまいます。言い換えれば、投資信託の分配金とは、投資したお金が強制的に戻されるだけの仕組みです。
分配金で運用効率が悪くなる理由
運用益から分配金が支払われると、課税口座で運用している場合、その時点で税金がかかってしまいます。
つみたてNISAのような非課税口座の場合であっても、税金はかからないものの、再投資するときに「非課税枠を余計に使う」もしくは「課税口座を使う」といった非効率な選択を強いられてしまいます。
楽天VTIでは、VTIから得られた配当がファンド内で自動的に再投資されます。分配金がもらえる代わりに、投資信託の価格が上がることによって投資家に還元される仕組みになっているのです。
つみたてNISA・iDeCoでの取り扱い
つみたてNISA
楽天VTIは、つみたてNISAの対象商品です。SBI証券や楽天証券のような大手ネット証券などで取り扱いがあります。
大手ネット証券には、投資信託の保有金額に応じてポイントを貯められるサービスがあります。楽天VTIのポイント付与率を比較したのが、以下の表です。
楽天VTIの場合、SBI証券が最も還元率の高い証券会社です。どこで買うか迷っている方は参考にしてみてください。
iDeCo
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)で楽天VTIを取り扱っている金融機関は、楽天証券と松井証券の2社だけです。
楽天VTI以外の商品ラインナップ・手数料など、詳細は以下のページをご覧ください。
デメリットはある?「最強」って本当?
楽天VTIは「最強」ではありません。楽天VTIから得られる投資成果は、あくまでも米国株式市場全体の平均的なリターンとなります。過度な期待は禁物です。
また、他の金融商品と比べると、楽天VTIには以下のようなデメリットがあります。
- 信託報酬が上乗せされる
- SBI-VTIより信託報酬が高い
- アメリカ経済に左右される
順番に解説します。
信託報酬が上乗せされる
楽天VTIは、その呼び名のとおり「VTI」を投資対象とする投資信託です。VTIに直接投資する場合、負担することになる運用コストは0.03%程度です。しかし、楽天VTIに投資する場合、VTIの0.03%程度に、0.132%の信託報酬が上乗せされ、0.162%程度となります。
銘柄 | 信託報酬 |
---|---|
楽天VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド) | 0.162% |
VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF) | 0.03% |
SBI-VTIより信託報酬が高い
SBI-VTI(SBI・V・全米株式インデックス・ファンド)は、楽天VTIと同じように「VTI」を投資対象とする投資信託です。SBI-VTIは、極めて低コストに設定されており、その信託報酬は0.0938%です。これと比べると、楽天VTIは0.162%と少し信託報酬が高くなっています。
銘柄 | 信託報酬 |
---|---|
楽天VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド) | 0.162% |
SBI-VTI(SBI・V・全米株式インデックス・ファンド) | 0.0938% |
アメリカ経済に左右される
楽天VTIは米国株だけを投資対象としています。現在、アメリカが世界経済のトップにある国であることは間違いありません。しかし、20年後、30年後を見据えたときに、トップであり続けるでしょうか?
「トップであり続けるでしょう!」と自信を持って言える方は、まったく問題ありません。しかし、自信を持って返答できない方は、今一度じっくり考えてみたほうが良いです。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のような、全世界に投資する銘柄も検討してみてはいかがでしょうか。
銘柄 | 投資対象国 |
---|---|
楽天VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド) | 1か国 |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 47か国 |
(2022年3月末時点)
買い方・始め方【iSPEEDで買える?】
最後に、楽天VTIの買い方をご紹介します。運用中のポイント還元率が最も高いSBI証券を例に購入方法を解説していきます。
まだSBI証券に口座をお持ちでない方は、開設しておきましょう。
(限定タイアッププログラム)
約5分で申込み完了します。
楽天証券の場合
楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」は、投資信託の購入に対応していません。楽天証券の公式サイトにログインすることで投資できます。
このページでは、スマートフォンでの買い方を解説しています。パソコンを使って購入したい方は、以下のページをご覧ください。
また、このページではスポット購入で手順を進めていきます。クレカ積立を使って購入したい方は、以下のページをご覧ください。
(1)まず、SBI証券公式サイトにログインして、『≡』をタップします。
(2)画面を下にスクロールして『投資信託』→『投資信託トップ』の順でタップします。
(3)検索ボックスに「楽天全米株式」と入力して、検索ボタンをタップします。なお、「楽天VTI」で検索しても出てきません。楽天VTIは通称であるためです。
(4)検索結果に表示された『楽天 – 楽天・全米株式インデックス・ファンド』をタップします。
(5)『買付』をタップします。
(6)買付方法を選択します。今回は『金額指定買付』で進めていきます。
(7)「目論見書補完書面」と「目論見書」を確認して、『同意して次へ』をタップします。
(8)「注文金額」、「取引パスワード」などを入力して『確認』をタップします。
SBI証券では、TポイントまたはPontaポイントを使って投資信託を買えます。今回はTポイント設定で「全部利用する」を選択してみました。ポイント投資したい方は、前もって、ポイントの会員番号をSBI証券に登録しておきましょう。
(9)最後に、注文確認画面が表示されるので、問題なければ『発注』をタップします。
これで注文完了です!
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楽天VTI(正式名称:楽天・全米株式インデックス・ファンド)は、米国株式に分散投資したい方におすすめの投資信託です。ただし、インデックスファンドの投資成果は、あくまでも市場全体の平均的なリターンとなるため、過度な期待は禁物です。
この記事の執筆者
やさしい投資信託のはじめ方編集部
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